シーズ技術紹介

【ライフサイエンス】 (2012/09/25公開)

◆小型・軽量なX 線線量計~SOF 線量計

大学院医学研究科
石川 正純 教授

石川教授の最新のシーズ技術はこちらよりご覧いただけます(2016年研究シーズ集 vol.3掲載)

X 線診断時の被曝線量計測と線量管理へのニーズ高まる


 がんの放射線治療や血管内治療などの医療では治療対象の位置決定の目的でX 線透視やCT などのX 線診断が行われますが、X 線診断時の被曝線量は厳密に管理されていない場合が多く、将来的な放射線障害を予防するために適切な管理が望まれています。また、X 線透視やCT の画像を見ながら患部に外科的処置を施すIVR(Interventional Radiology)では、長時間にわたるX 線照射による皮膚障害などの事例も発生しており、X 線診断同様に線量管理のニーズが高まっています。
 しかしながらリアルタイムでの測定が可能な従来の線量計は金属部材を使用しているため、線量計自身が診断画像に写りこんで診断や治療の妨げになるという問題がありました。

体内挿入型の即応性に優れた線量計を開発


 石川教授らの研究グループでは体内に挿入可能かつリアルタイム応答性に優れた線量計として、新たなSOF 線量計(Scintillator with Optical Fiber Dosimeter)を開発しま
した。この線量計は次のような特徴を持っており、X 線による被曝をモニタするためのリアルタイム線量計として優れたものです。
・直径 0.5mm のプラスチック光ファイバ先端に半径250μm の半球状のプラスチックシンチレータを配置しただけの単純な構造。
・被覆を含めたプローブ直径は 1mm と細く、電気的な機構を持たないため、感電の恐れもなく、患者や術者への安全な取り付けが可能。
・X 線透視像への写りこみが極めて少なく、僅かなコントラストの違いで疾患を診断する必要があるX 線診断でも影響を与えない。

医療機器以外の用途にも道を開く線量計


SOF 線量計は、経済産業省「課題解決型医療機器等開発事業」のもと、大宝電子株式会社、株式会社アキュセラとの共同開発が進められており、医療機器として3年以内の薬事承認申請を目指しています。
 従来にないフレキシブルでシンプルな微小プローブという特徴を生かし、医療機器以外においても、線量計測用途で幅広い応用が期待できます。

 参考情報


研究室HP

http://phys.med.hokudai.ac.jp/activity2.html
経済産業省 平成24 年度課題解決型医療機器等開発事業

http://www.meti.go.jp/information/data/c120409cj.html
http://www.meti.go.jp/information/data/c120720aj.html
特許情報「放射線線量計および放射線線量計算プログラム」

日本:特許権あり(特許第4766407 号)
米国:特許権あり(US patent No. 8044357)
欧州:特許出願中(EP 07807890.4)


北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.3
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