研究者紹介

【情報通信】 (2012/06/25公開)

◇伊達 宏昭 准教授 情報科学研究科 システム情報科学専攻 システム情報設計学研究室

様々な情報のディジタル融合を活用し、プロセス革新を目指す

新理論へのチャレンジが研究者への第一歩


 北大工学部精密工学科学部4年時に出会った研究テーマがウェーブレット変換を用いた3次元ポリゴンモデルの多重解像度表現」でした。3次元形状モデルを周波数分析するという当時新しい理論を頭を抱えながら勉強し、大学院進学後にその応用に関する研究を行いました。修士1年生で行った「3次元ポリゴンモデルの電子透かし手法に関する研究」を通して、研究の世界において新しく面白いことを創り出す楽しみを知りました。またこの頃から形状モデリングの分野における優れた理論、アルゴリズム、それらの幅広い応用に魅了され、それまで全く頭になかった研究者、大学教員が将来の選択肢の一つとなりました。そのまま同研究室の博士課程に進学し、運よく北大の教員となりました。良い指導教員と良い研究テーマとに出会えたことがこの道に進んだ大きな理由です。

大量計測点群データから人と計算機に必要な情報を自動的に読み取る


 研究テーマは、点群やメッシュなどの離散幾何モデルを有効に活用するための形状処理の研究です.現在は主に、3次元レーザスキャンにより得られた、屋内や市街地などの大規模環境の計測点群のデータ処理術に関する研究を行っています。約2年前からこ
の分野に集中し始め、具体的には,大規模環境の複数計測点群の自動位置合わせ、点群のセグメンテーション、計測点群内から任意形状の物体を自動で見つけたり、市街地の計測点群から電柱や街灯などの柱状物を自動で見つける物体認識、大規模複数点群データの管理と可視化に関する研究を進めています。現実世界の形状情報を含む大量の計測点群データから、人と計算機に必要な情報を巧みに取り出すことを日々考えています。その他、有限要素解析用のメッシュ処理技術、特に、メッシュ形状変形とメッシュ品質改善、工業用X 線CT 計測データの解析応用の研究も行っています。

大学の知を実用的で有用な技術へ展開し社会へ還元・貢献する


 大学の研究は,物事の本質を捉えて体系的な知を創出することが一つの重要な目標と思います。しかし、その知を活用する場がなければ、それは意味のないことと思います。大学が創出する知を、社会のニーズに合わせて実用的で有用な技術へ展開し、社会へ還元、貢献するために産学連携が重要と考えます。そして、大学と企業の強みを生かした連携で産出された技術が有効に使われ、その結果として日本の国力向上につながることが産学連携の目標と思います。レーザ計測点群の研究を始めてから、様々な企業の方のお話を聞く機会が増え、机上ではみえない沢山のことを学ばせて頂いています。産学連携の目標を踏まえて、大学の研究者という立場で貢献できる面白い研究を進めていきたく考えています。

様々な情報のディジタル融合を活用し、プロセス革新を目指す


 研究室では、金井理教授とともに、3次元計測データ処理と形状モデリングに関する研究、製品の形状・挙動モデルと仮想現実融合技術を用いたIT 機器のディジタルプロトタイピングとユーザビリティ評価技術に関する研究、ディジタルハンドとCAD モデルとを融合したエルゴノミック評価手法に関する研究を行っています。さまざまな情報のデジタル融合をうまく活用したプロセス革新を目指して,約15名の学生たちとともに日々研究を進めています。

参考URL


研究室HP: http://www.sdm.ssi.ist.hokudai.ac.jp
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
食科学プラットフォーム 北海道大学URAステーション 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局