ダルスバターが完成しました!

食科学プラットフォームが支援・推進しているプロジェクトのひとつ「北方圏紅藻類の資源開発とその健康機能・素材特性を活かした次世代型機能性食品の創出」の活動の一環として、食プラメンバー念願のダルスバターを、北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場アグリフードセンターにご協力いただき、試作しました。

フランスの高級レストランや国内の三つ星レストランなどでは、ダルスと他の海藻を入れた、フランス産のバターが使われていますが、今回試作したのは、北海道大学農場の緑の風の中で育った牛の生乳に、北大水産学部がある函館・南茅部地区の海で採れたダルスを練り込んだ、ダルス色のバターです。食プラメンバーが感激したダルスバター試作の様子をレポートします。

まずは基本のバター作り

2017年6月8日、朝から雨と風が強い中、食プラの木曽、城野、髙瀬は、ワクワクしながらアグリフードセンターに到着。早速、白衣を着て、キャップを被り、しっかり手を洗います。試作する部屋の室温は10℃。ずっと中にいると体が冷えるので、白衣を2枚重ねて着ます。

実際にバター試作の作業をしてくださるのは、アグリフードセンターの日置さん(右)と鳥羽さん(左)です。
はじめに、この日のために用意してくださった北大農場産のクリーム(乳脂肪分約24%)の温度を10℃に調整し、メタルチャンバーへ濾過しながら注ぎます。

メタルチャンバーがグルグル回り、クリームを攪拌します。
攪拌することおよそ40分。液体だったクリームの中に米粒くらいの脂肪球がたくさんできています。さらにもう少し攪拌すると、脂肪球が成長し、バターらしくなってきました


およそ40分攪拌


さらに攪拌したところ

バターミルクを排出し、2回水で洗います。そしてさらに攪拌すると、できたのはバターの塊!ふんわりとした優しい香りで、これだけでもおいしそう♪

いよいよダルスの投入。黄色いバターから紅いバターへ

ダルスは粉末、塩は細かく乳鉢で粉砕したものを使用します。そしてついにダルスを投入!攪拌しますが、粉末のダルスは煙のように舞い上がり、なかなかバターに入りません・・・・・。

食プラメンバーは作業を見守ることしかできず、少々、不安になっていましたが、日置さんが水分量などを調整しながら攪拌し続け、少しずつバター全体が紅くなってきました。混ざり具合のチェックも兼ねて、ちょと味見をすると、驚くほど滑らかで、とろけるような舌触りです♪♪

続いて脱気しながら攪拌します。すると、黄色だったバターがダルス色に染まり、紅いバターになりました。

ダルスバターを型に入れ、冷蔵庫で冷やし、しっかりと固めます。

あとは一日冷蔵庫で寝かせ、カットし、パック詰めの作業へと続きます。
しっかり固まっておいしいバターができますように・・・・。


冷蔵庫でおやすみ中のダルスバター


冷蔵庫から出したダルスバター

ダルスバターをカットし、パック詰め。そしてラベル貼り

ダルスバター試作の2日目。晴れの良いお天気。この日も朝から食科学プラットフォーム(食プラ)の木曽、城野、髙瀬の3人はアグリフードセンターに向かい、ダルスバターをカットし、パック詰め作業に入ります。

一晩冷蔵庫で休ませ、しっかり固めたダルスバターを取り出し、カットする大きさにワイヤーを貼った治具を装着します。下から押し上げると、たてにカットされたダルスバターが出てきました。その姿に食プラメンバーは思わず歓声をあげてしまいました。

これを水平にカットしてから、さらに半分にカットします。日置さん、鳥羽さんが慎重に作業してくださいます。

そしてパック詰め。そっと静かにダルスバターをカップに入れ、ふたをして、ラベルを貼ります。

2日間の作業が終わり、念願のダルスバターが完成しました!!パンに塗っても良し、じゃがバターや魚介のムニエルなど、お料理に使っても良し!完成したダルスバターを前にして、お料理のアイディアがいろいろ浮かんできます。鳥羽さん、日置さん、ありがとうございました。

さわやかな緑の風の香りと鮮やかな海の香りのマリアージュ。唯一無二のダルスバターです!
このダルスバターは、平成27年度農林水産省・食品産業科学技術研究推進事業発展融合ステージ「北方圏紅藻類の資源開発とその健康機能・素材特性を活かした次世代型機能性食品の創出」事業の活動の一環として試作しました。まずは関係者で試食し、今後の活動に活かしていきます。また、ダルスを多くの方々に知っていただくために、ダルスバターはもちろん、ダルスそのものを使用した料理なども紹介していこうと考えています。

たくさんの方々にご協力いただき、おいしいダルスバターが完成しました。本当のところ、このダルスバターは水分量の関係から正式にはバターではありませんが、他にはない、コクのあるダルスの旨味と海の香りを感じる唯一無二のものだと私たちは思っています。(写真・文|城野・髙瀬)
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