研究者紹介

【ナノテクノロジー・材料】 (2010/08/25公開)

◇山内 美穂 准教授 触媒化学研究センター集合機能化学研究部門

化学プロセス・エネルギーを飛躍的に削減する高性能触媒を開発!


無我夢中で取り組んだナノ粒子の研究が研究者への道を拓く


 学生時代、助手や教授の先生をみて研究者へのあこがれがありましたが、自分自身が研究者になるとは考えていませんでした。きっかけは、博士課程の最後に所属研究室のポスドクの職を頂いたことだと思います。ポスドクからは、助教授の先生の金属ナノ粒子の水素吸蔵に関する研究課題に、無我夢中で取り組みました。当初は思うような成果が得られませんでしたが、必死で実験を続けているといくつか面白い結果を得ることができました。
それ以来、金属と水素の科学にはまっております。北大の触媒センターに異動してからは、センターの研究者と連携することで、水素貯蔵材料の開発だけではなく水素製造あるいは水素化物製造など、水素エネルギー利用技術に関わる研究を行うことが出来るようになりました。北大触媒化学研究センターには触媒研究のプロが揃っており、皆の連帯感も強く、触媒開発を行うには素晴らしい場所であると思います。

化学プロセス・エネルギーを飛躍的に削減する高性能触媒を開発!


 合金ナノ粒子を用いた触媒の開発を行っています。我々の抱える環境問題の解決には、さまざまな化学プロセスにかかるエネルギーを低減する為の高性能触媒の開発が重要です。Pt(白金)は優れた触媒として知られていますが、非常に高価であること、被毒に弱いなどのため、その実用化には限度があります。金属の性質は、複数の金属との合金化によって変化させることが可能です。更に、ナノメートルサイズの合金の粒子の場合は、コア・シェル型、ランダムアロイ型など大きな合金の塊にはない、様々な形態が現れてきます。合金の構造あるいは組成を原子レベルで制御した合金の粒子を利用すれば、使用目的に最適な高性能の触媒を得ることが出来ると思われます。
 しかし、従来法では、金属原料を担体に浸して焼成することにより触媒を作製するため、担持された合金の組成およびサイズを制御することは困難でした。最近、我々は、設計通りの合金ナノ粒子担持触媒を作製する方法の開発に成功しました。
 現在、この技術を用いて、合金ナノ粒子を用いた新規の光触媒、電極触媒、アンモニア合成触媒の作製を行っています。作製した触媒の試験では、中にはPt を凌駕するような性能を示す合金触媒がみつかっております。今後、様々な合金ナノ粒子触媒による高性能触媒の開発を行っていきたいと考えています。

研究のみならず教育の現場においても産学連携が重要


 アジア諸国の成長により、世界における日本の立場は大きく変わろうとしています。この過渡期に日本が世界の中での存在感を維持するには、今後の基盤を何処に置くべきかを、企業・大学のどちらの立場であっても、必死で模索する必要があります。その為に、お互いにプラスになるのであれば産と学が連携を進めるべきであると思います。また、産学連携にせよ、経済の復興にせよ、日本人の一部ではなく大部分が問題意識と責任感をもって、日本の復興に取り組む社会を作らなければその実現は非常に困難であると思います。大学の本務は教育にあります。大学においては、研究生活を通して、責任を持って問題を解決できる学生を育てることが我々の最大の社会貢献であると考えております。しかし、研究に没頭して大学の中にこもって生活していますと自分自身にも学生にも社会通念が欠如していると感じることがあります。研究の面での産学連携も重要ですが、広い見識のある学生を世に出す為にも、教育分野においても産と学が連携して取り組むことは重要ではないかと思います。

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