シーズ技術紹介

【ライフサイエンス】 (2014/04/18公開)

◆ミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)

大学院薬学研究院 薬剤分子設計学研究室
山田 勇磨 助教

ミトコンドリアに薬物・タンパク質・核酸を導入する技術


様々な機能を有するミトコンドリアは疾患治療、美容・健康維持、ライフサイエンスの発展に貢献するオルガネラとして注目されています。

私たちはミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)の開発に成功しており、本ナノカプセルの実用化(医薬品、試薬)を目指し研究を進めています。

研究の内容


本研究のミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)は、細胞膜およびミトコンドリア膜を通過し目的分子をミトコンドリア内部に届ける事が可能です。

機能素子を用いた従来技術では送達分子の大きさや種類を著しく制限しましたが、目的分子を封入するMITO-Porterを用いた戦略では分子種によらないミトコンドリア送達を実現します。

GFP(緑色)を内封したMITO-Porterを調製し、細胞内を蛍光顕微鏡観察したところ、ミトコンドリア(赤色)と重なり合った黄色のシグナルが多数観察される、ミトコンドリアへの効率的な分子送達を確認できました。

また、既存の核酸導入試薬(核・細胞質を標的)では不可能であったミトコンドリアへの遺伝子・核酸導入にも成功しています。さらに、生体に適応可能なナノカプセルの開発も行っています。

応用例


  • ミトコンドリア治療用ナノカプセル(例:神経変性疾患、がん、糖尿病)
  • ミトコンドリア用核酸・遺伝子導入薬(疾患モデル細胞・動物構築に利用)
  • アンチエイジング・メタボリックシンドローム予防・治療の薬・サプリメント剤


産業界へのアピールポイント


私たちが開発したナノカプセルは目的分子をミトコンドリアに送達する事が可能なため、疾患の治療・診断(治療分子送達)、美容・健康の維持(老化・肥満抑制因子送達)に応用可能です。

また、核酸・遺伝子の送達にも適応しているので、遺伝子治療・ライフサイエンスの発展への貢献が期待されます。産学連携により、本ナノカプセルを実用化したいと考えています(医薬品、試薬、他)。

本研究に関連する知的財産


特許第5067733 号 「目的物質をミトコンドリア内に送達可能な脂質膜構造体」

その他 関連情報


[1] Yuma Yamada, Ryo Furukawa, Yukari Yasuzaki, and Hideyoshi Harashima. Dual Function MITO-Porter, a nano carrier integrating both efficient cytoplasmic delivery and mitochondrial macromolecule delivery. Mol. Ther. 19 1449-1456 (2011).
[2]Yuma Yamada, Hideyoshi Harashima. Delivery of bioactive molecules to the mitochondrial genome using a membrane-fusing, liposome-based carrier, DF-MITO-Porter. Biomaterials 33(5): 1589-1595 (2012).
[3]Yuma Yamada, Hideyoshi Harashima. Enhancement in selective mitochondrial association by direct modification of a mitochondrial targeting signal peptide on a liposomal based nanocarriers. Mitochondrion 13 (5): 526-532 (2013)
[4]Yuma Yamada, Kohei Nakamura, Ryo Furukawa, Eriko Kawamura, Takuya Moriwaki, Kenji Matsumoto, Katsuhiro Okuda, Mitsuru Shindo and Hideyoshi Harashima. Mitochondrial delivery of bongkrekic acid using a MITO-Porter prevents the induction of apoptosis in human HeLa cells. Journal of Pharmaceutical Sciences 102 (3): 1008-1015 (2013)
[5]Yamada Y., Harashima H. A method for screening mitochondrial fusogenic envelopes for use in mitochondrial drug delivery. Methods Mol. Biol. 1141:57-66 (2014)

研究室ホームページ


大学院薬学研究院 薬剤分子設計学研究室
http://www.pharm.hokudai.ac.jp/yakusetu/


※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2016-09-02
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