シーズ技術紹介

【ライフサイエンス】 (2015/05/20公開)

◆ソノポレーション:超音波と微小気泡を用いた新しい薬物送達手法の開発

大学院情報科学研究科 生命人間情報科学専攻
工藤 信樹 准教授

細胞レベルでの組織標的能を実現


血管内に投与できる微小気泡が開発され、血管造影剤として超音波診断に用いられている。

我々は、微小気泡が細胞に接触した状態では、パルス超音波の照射でも細胞膜に一時的な穿孔を生じることを世界に先駆けて明らかにし、生体への薬物・遺伝子送達を実現する手法を開発している。

研究の内容


○ 微小気泡とパルス超音波を用いた音響穿孔法(ソノポレーション):微小気泡が細胞膜に接触した状態でパルス超音波を照射すると、付着部位にのみ一時的穿孔を生じる(図1)。
微小気泡に薬剤や遺伝子を付加し、光ピンセットで付着位置を制御することにより、目的とする細胞の任意の位置に薬剤や遺伝子を導入する手法を実現。
○ 治療部位の特定と薬物送達を微小気泡と超音波診断装置で実現:治療対象の細胞にのみ付着する標的機能を有する気泡を静脈から注射する。気泡が集積した組織を超音波造影法により検出することで治療対象部位を特定する。続いて気泡を壊すパルス超音波を発生し、細胞に一時的な細胞膜穿孔を生じさせ、薬物等の送達を実現する(図2)。気泡に薬剤や遺伝子などを付加することで、ターゲット細胞にのみ高効率な薬物送達が実現できる。


図1


図2

応用例


  • エレクトロポレーション代替
  • DDS(薬物送達)
  • 癌の早期診断
  • 抗癌剤治療効果増強
  • 免疫治療
  • 遺伝子導入


産業界へのアピールポイント



  • エレクトロポレーションの置き換え技術 気泡の大きさや細胞への付着位置、超音波の照射条件を制御することにより、所望の細胞に選択的な薬剤・遺伝子等の導入を実現。

  • 超音波診断技術を治療に用いることにより、安全生の高いin vivo 薬物・遺伝子導入を実現。免疫物質を樹状細胞に導入することで免疫治療を促進する手法についても共同研究中。

研究室ホームページ


大学院情報科学研究科 生命人間情報科学専攻
人間情報工学研究室
http://www.ist.hokudai.ac.jp/div/bio/intro/biomedical-engineering/


※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2016-08-30
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
食科学プラットフォーム 北海道大学URAステーション 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局