研究者紹介

【ライフサイエンス】 (2015/06/23公開)

◇北村 秀光 准教授 遺伝子病制御研究所 免疫機能学分野

新しい免疫療法の確立に向けて


研究者タイプとは


地元の高校を卒業後、入学した弘前大学農学部時代、特に研究者を目指していたわけではございませんでした。
大学のカリキュラムで、教職の免許をとるため、教育学の講義を受けたところ、講師の先生から、人には「教育者タイプ」と「研究者タイプ」があるお話しを頂きました。

「教育者タイプ」は、後輩・学生の成長を素直に喜ぶことができるそうで、例えば部活の後輩が自分より良い成績を得た場合、一緒に嬉しく思える人が「教育者タイプ」、一方、「研究者タイプ」は、自身がさらに研鑽をして、より優れた成績を得たいと思う人ということでした。

その講義の影響もあったかと思いますが、以後、研究者を意識するようになり、農学部の恩師にも背中を押される形で、北海道大学大学院地球環境科学研究科に入学しました。
大学院時代は、サケ白子DNAの素材化に関する研究を行い、その過程で自己免疫疾患の検査キットの開発に関与したことから、免疫学の分野に興味を持ち、その後、ポスドクや米国留学、博士研究員等を経て現職に至っております。

現在、自分はどちらのタイプと問われたら、昔ほど「研究者タイプ」ではないかもしれませんが、後輩・学生さんたちと一緒に良い研究を世に出せたらと思いながら実験を行っています。

新たな免疫療法への応用


私たちの健康維持にとって大切な免疫システムは、いろいろな免疫担当細胞が互いに協力し合って、ウイルスや細菌などの病原体や自己にとって好ましくない細胞、がん細胞などを排除しています。

しかしながら、これらの免疫機能が破綻すると、関節リウマチ・クローン病・潰瘍性大腸炎といった自己免疫疾患や花粉症・アトピー・喘息などのアレルギー性疾患の発症、さらにはがんの発生などに至ることが知られています。
そこで私たちは、免疫調節の中枢を担う樹状細胞とヘルパーT細胞に焦点をあてた研究を行い、免疫機能の制御メカニズムを解明するとともに、がん、アレルギー、自己免疫疾患などの免疫関連疾患に対する新しい免疫療法への応用に繋ぐことを目的としています。

またヒト免疫システムは千差万別であり、一人ひとりの患者さんに応じた安心・安全かつ効果の高い個別化医療の実施には、被験者の免疫状態を判定する標準化された解析・評価方法の確立が必須と考えています。
そこで私たちは個々の免疫体質を判定する新規バイオマーカーの探索と同定を行い、精度の高い免疫モニタリング法の確立を目指した研究を進めています。

さらに、これまで得られた基盤的研究成果をもとに、北海道大学病院・大学院医学研究科と連携したトランスレーショナルリサーチ(架け橋研究)も展開し、私たちの研究成果を社会に還元することも目指しています。

社会実装に向けて


前述のとおり、現在、人の健康維持にとって重要な免疫機能の制御メカニズム解明とがん、アレルギーや免疫関連疾患の予防・治療法への応用に関する研究を行っています。また、一人ひとりの免疫体質の評価法の確立も行っており、これらの研究成果は、日本国民の幸福に寄与するものと考えています。

一方、実際にこれらの研究成果を社会に還元するためには、民間企業との連携も大切と考えています。自身は大学・アカデミアに所属しておりますので、具体的な事業化などのノウハウは持ちあわせてはおりません。
そこで、例えば、個別化免疫疾患治療法やコンパニオン診断薬などの開発は、是非とも一般企業のお力、ご経験のもとに連携してなされるべきと考えております。

また、私は農学部の出身でもあるためか、「食と免疫」は、大切な研究課題と考えております。やはり、最善は病気になる前に日々の免疫状態を把握しながら、食事により免疫機能をコントロールすることで、疾患を予防するようなシステムが構築できればと考えて日々研究を行っています。

その他


以上の私たちの研究にご興味のある方はいつでもお声をかけて頂ければ幸いです。一緒に良い研究・開発を行ないましょう。

研究室ホームページ


http://www.igm.hokudai.ac.jp/funimm/

北村准教授の最新のシーズ技術はこちらよりご覧いただけます(2016年研究シーズ集 vol.3掲載)

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