研究者紹介

【ナノテクノロジー・材料】 (2015/09/17公開)

◇岩村 振一郎 助教 大学院工学研究院 応用化学部門 化学工学分野

材料のナノ構造制御の奥深さ


理科好き少年がそのまま研究者の道へ


少年時代より理科が好きで、とりわけ新たな物質を合成できる化学に興味を持ち、大学は工学部の化学科に進学しました。

学部3年生の時にあった研究選択のための研究紹介にて、ゼオライトやアルミナの多孔質膜を鋳型とすることで、鋳型材料の形状がナノレベルまで転写した炭素材料を製造できるという話を聞きました。
当時、興味はありましたが、どこか遠い存在であったナノという領域で、まるで金型からタイ焼きを作るかのように材料の構造をナノレベルで精密に制御できるということで、とても身近に感じ、その研究室に配属することにしました。

研究室配属後修士課程までは材料としてシリカを主に扱い、ゾル-ゲル法や鋳型法などを用いて材料の構造制御の面白さや奥深さを学びました。
もともと研究職志望であったため、博士課程に進学することはそれほど迷わなかった記憶があります。

進学後は炭素とシリコンの複合材料を作製し、リチウムイオン電池の電極材料への応用に向けた研究を行うようになりました。
複合材料となるとさらに材料づくりの多様性が広がり、材料のナノ構造制御の奥深さをさらに学ぶことができました。

その後、幸運なことに現在の研究室にご縁があり、現職に着任することになりました。

新しい複合化材料の探索


現在はシリコンに限らず、様々な金属や金属酸化物を炭素材料と複合化した材料の開発に取り組んでおります。
複合材料というものは様々な種類が研究・開発されておりますが、材料の構造や複合化状態により、その特性は大きく変化いたします。

まず炭素材料だけ考えても、原料や製造方法により細孔構造、結晶性、表面官能基などが大きく異なるため、導電性、内部での物質拡散性、親疎水性などに影響してきます。

そこに様々な機能を持つ金属や金属酸化物を複合化させることで材料単体では苦手としている特性(導電性や形状など)を補い、より高性能な材料として活用できることが期待できます。

このような材料をより低コストで簡単に製造することを目標に研究に取り組んでおります。

産学連携への思い


いうまでもなく大学の研究費は主に国からの税金から賄われています。このため、大学の研究から生まれた技術は社会に役立てる必要があると思います。
しかし、大学単体では技術の実用化は難しいため、企業と共同することで社会に還元できる可能性が広がるのではないでしょうか。

私の現状ではまだまだ十分に社会へ還元できてはいませんが、機会があれば積極的に産学連携を行い、研究で得られた技術で世の中の役に立てられればと考えております。

研究室紹介


上記では炭素材料についてしか触れておりませんが、私の所属する研究室では他にシリカやゼオライトなども取り扱っており、これらの材料の構造を制御することで電気化学デバイス、触媒や吸着材などへの応用を目指した研究を行っております。
もし、興味を持っていただけましたら幸いです。
http://mde-cp.eng.hokudai.ac.jp/
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
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