研究者紹介

【ライフサイエンス】 (2015/10/21公開)

◇小関 成樹 准教授 大学院農学研究院 基盤研究部門 生物環境工学分野

農場と食卓を結ぶライフライン


人との繋がりを大切に、研究者としても広がりを


今回は農学研究院で「予測微生物学」の研究を行っている小関先生をご紹介致します。

小関先生は栃木県で生まれ、その後、4歳から12歳まで北海道中標津で過ごしました。高校時代は栃木県に戻りましたが、北海道の気候や生活が性に合い、「また北海道で生活したい」と思って北海道大学に進学したそうです。

学生時代は飲食店でアルバイトをして、調理師免許まで取得したそうです。修士卒業後は食品添加物関連の大手企業に就職し、研究所に配属されました。
ところが企業内での研究は開発型の応用研究が中心で、大学での研究とは全く性質が異なり、「これは自分がやりたいこととは違うのではないか?」と考えるようになったそうです。
修士時代に研究にのめり込み、研究が面白くなっていたことや、草地関係の研究者だった父親の影響もあって、1年で退職して大学院に戻ることにしました。

博士後期課程では、2年次に農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所(食総研)にインターンシップを経験し、国内外の著名な研究者との出会いがありました。
博士課程修了後は北大での博士研究員を経て、日本学術振興会の特別研究員として再び食総研に所属し、その後、食総研の任期付き研究員を経て正式に研究員として採用されました。
そして2013年8月より、准教授として再び北海道大学に戻って来ました。

小関先生は修士卒業後に一度は企業に就職したものの、新たな着想に基づく基礎的な研究をしたいという思いから、再び大学院に戻りました。しかしながら、企業にいたことで企業の研究者の考え方がある程度理解出来るので、企業等と共同研究する際にはとても役に立っているそうです。
また食総研の研究者時代に「予測微生物学」の第1人者であるMc MEEKIN教授(タスマニア大学農学部)の元で客員研究員として研究をすることができました。その経験から、さらに広い研究者とのネットワークを築くことが出来ました。

北大から食総研、そこからタスマニア大学に留学を果たしますが、全て人との繋がりから機会を得て、その分野でのキーパーソンに学ぶ事が出来たそうです。そしてそのキーパーソンはさらなる広がりを持っています。
優れた研究者と出会い刺激し合うことによって、小関先生の研究もますます大きく広がっていくのだと思います。

「予測微生物学」を企業のために活用する


「予測微生物学」というのは、食品中での微生物の増殖、死滅などの挙動を数学モデルを用いて予測しようとする研究分野で、微生物学だけではなく、数学や化学分野の研究者らが協力することによって作り上げられた分野です。

この研究成果は、食品の製造から流通、消費に至る全過程における微生物の挙動を定量的に解析・予測することで、有害な病原菌の増殖を予測できるので、食品の微生物学的安全性を確保するために利用する事ができます。

食品を扱う企業にとって食品の「安心・安全」の確保は非常に重要ですが、そこにかかるコストは出来るだけ削減したいというのも本音です。この「予測微生物学」を用いることで、食品を安全に製造したり保存したりするための条件を最適化することが可能となり、省力化、低コスト化に貢献できると考えています。

Mc MEEKIN教授らも、オーストラリアが国策として農水産物の輸出を推し進める中、それらの鮮度保持や安全性を担保するために貢献しました。日本もTPPへの参加が決まり、農水産物の輸出入も増加すると考えられますので、「食の安全」を担保するためにも「予測微生物学」は今後ますます重要になると思います。

微生物の増殖データベース


微生物の増殖データベースを誰にでも分かり易く使えるように加工し情報発信を行っています。

研究室ホームページ



北海道大学大学院農学研究院 基盤研究部門 生物環境工学分野
食品加工工学研究室
http://preg.bpe.agr.hokudai.ac.jp/
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
食科学プラットフォーム 北海道大学URAステーション 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局