シーズ技術紹介

【ナノテクノロジー・材料】 (2016/01/25公開)

◆電子スピン制御の物性定数を解明

大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻
古賀 貴亮 准教授

次世代電子デバイスの研究・開発を加速


これまで、どの材料に関しても未解明の物性であった「スピン軌道相互作用」に係る物性定数を、InGaAs 半導体をベースにしたn 型ダブルへテロ量子井戸構造に関してそのゲート電圧依存を含めて実験的に明らかにしました。

この成果は、次世代スピンデバイス開発のシーズとなります。

研究の内容


既存の半導体デバイスは、電子の「電荷」により動作します。一方で、電子は、「電荷」と共に「スピン」という小さな磁石としての性質を有しています。固体中電子のスピンは状況に応じて、ある向きに揃ったり(図1a)、特定の軸に対して回転したりします(図1bc)。次世代電子デバイスを実現するには、このような電子の「スピン」を半導体デバイス中で如何に制御するかが鍵となります。

今回の研究では、インジウム、ガリウム、砒素をベースとした電界効果トランジスタ(図2)を利用し、希釈冷凍機(図3)を用いて実現する極低温(絶対温度20mK)環境で、電気的な測定を行うことにより、電子スピンの制御に必要な「スピン軌道相互作用係数」をはじめて厳密に決定しました(図4)。

応用例


  • 電界効果型スピントランジスタ
  • 量子コンピュータ
  • 超低消費電力論理デバイス
  • 補綴処置
  • 次世代電子スピンデバイス


産業界へのアピールポイント


「スピン軌道相互作用係数」は、ゲートを用いた電子スピンの制御/操作のしやすさを表す指標といえますが、これまでどの半導体においてもその正確な値は知られていませんでした。

今回の成果により、左に挙げたような将来デバイスの開発に、半導体工学(バンドエンジニアリング)の手法が適用できるようになり、デバイス開発にかかるコスト/時間が大幅に縮小されます。

研究室ホームページ


大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 
先端エレクトロニクス講座http://www.ist.hokudai.ac.jp/div/electronics/professor.html#electronics02


※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2017-01-20
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
食科学プラットフォーム 北海道大学URAステーション 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局