研究者紹介

【ナノテクノロジー・材料】 (2016/02/23公開)

◇藤岡 正弥 助教 電子科学研究所

私が考える一番意味のある生き方


私が考える一番意味のある生き方


たぶんほっとけば、人類はそのうち滅亡するわけですが、例えば核戦争が起こったり、次の氷河期が来たり。そもそもそれ以前に、いつかは太陽が膨張して地球を飲み込むことを考えると、
「結局、生命誕生の瞬間に、タイムリミットも設けられていて、せっかく人類はここまで文明を築いたけど、全部意味がなかったのか。なんだか寂しいなぁ。」なんてことを高校生の頃に考えていました。

結局たどり着いた答えは、「そのタイムリミットの間に、宇宙で生活できるところまで、科学技術を発展させることができるかどうか…。実は今そういうゲームをしているのではないだろうか…」という中二病的なものでした。実は今もまだ、その病気は続いています。
私にとってはこのゲームのプレーヤーが研究者で、科学の進歩に何か一石投じることができれば、それは極めて意味のある生き方なのではないかと考えています。

室温超伝導物質を目指して


大学に入って、私が魅力的に感じた物質、それが室温超伝導体です。
残念ながらこれは未だ発見されていません。存在するのは今のところ言葉だけです。

超伝導はある温度(超伝導転移温度)まで、冷やすと急激に電気抵抗が減少し、ゼロになる現象です。例えばこの物質のケーブルで、地球をぐるっと一周させると、地球の裏側で行っている太陽光発電のエネルギーを、全くのロスなしに使用することができます。

これは、現在ぶつかっているエネルギー問題を解決する、大きな一歩になります。しかしながら、この超伝導状態を実現するには、極低温まで温度を冷やさなければならないという制約があり、上述した話は夢物語の一つです。

私がこれまで行ってきたことは、この超伝導転移温度を如何に上げるかという研究です。そのために、様々な材料合成に関する知識を学び、技術を身につけました。
私の目標の一つは室温超伝導物質の発見ですが、それはきっと、今までにない全く新しい切り口で超伝導と関わるところに、ヒントがあるのではないかと感じています。

昨年、北海道大学の電子科学研究所の助教に着任し、これまで自分が携わってきた研究分野とは少し離れ、イオン伝導体やスピン流などの輸送現象にも着目し様々な研究に手を伸ばしています。
実際、新しい分野に飛び込むことで、今まで考えもしなかった全く新しい発想から、これまでの研究を見直すことができています。そしてこの延長線上のどこかで、大きな発見に辿り着き、科学の進歩に何か一石投じる、そんなプレーヤーになりたいと考えています。

新しい物質を作ることの可能性


物質の特性は元素の組成、そして結晶構造で決まります。現在見つかっている元素の数は118個あるわけですが、その組み合わせを考えると、これまでに調べられてきた物質なんてほんの極わずかなものです。また合成技術の発展に伴い、従来の方法では作れなかったような材料も次々に作製されています。

従来の特性を凌駕する機能性材料を発見することや、またはその合成方法を確立することができれば、多種多様な技術発展が見込めると私は考えています。
確かに、現在の実用材料を超える新しい機能性材料を発見することは極めて難しい仕事ではありますが、そこには産学連携や、社会貢献に繋がる大きな可能性があり、そういった形で私の研究を社会へと還元させていきたいと考えています。

研究室ホームページ


北海道大学 電子科学研究所
光電子ナノ材料研究分野
http://nanostructure.es.hokudai.ac.jp/index.html
北海道大学 TLO通信 創業デスク 北海道大学研究シーズ集 vol.4
食科学プラットフォーム 北海道大学URAステーション 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局