シーズ技術紹介

【ライフサイエンス】 (2016/03/09公開)

サケの母川記銘・回帰メカニズム

北方生物圏フィールド科学センター
上田 宏 特任教

サケ稚魚が生まれた川(母川)のニオイを記銘(刷り込み)し親魚がそのニオイを頼りに母川回帰するメカニズム


サケの稚魚が春の降河回遊時に、母川固有のニオイ(溶存遊離アミノ酸DFAA 組成)を記銘し、親魚が数年後の秋の遡河回遊時に季節・年変動しないDFAA 組成を嗅ぎ分けて、正確に母川回帰するメカニズムを解明しています。

研究の内容


サケの母川記銘・回帰メカニズムは、1950 年代に米国で提唱された嗅覚仮説(olfactoryhypothesis)が広く受入れらてきた。しかし、稚魚が春の降河回遊時に母川固有のニオイ成分をサケの嗅覚神経系がどのように記銘し、大海原における何千キロにもおよぶ索餌回遊により成長した親魚が、数年後の秋の遡河回遊時にどのように母川のニオイ成分を想起して回帰するかは、半世紀以上も不明であった。

私の研究室では、サケの嗅覚応答を測定する電気生理学的システム、およびサケの河川水選択行動を解析するY 字水路を札幌市豊平川さけ科学館に設置させてもらい、またサケ脳の記憶分子および脳―下垂体―甲状腺系と脳―下垂体―生殖腺系ホルモンの分泌動態を解析する遺伝子・ホルモン解析システムを用いて、サケの母川記銘・回帰メカニズムを解明している。

応用例


  • 河川水のニオイ成分分析
  • サケ(魚類)の嗅覚応答測定
  • サケ(魚類)の河川水選択行動解析
  • サケ(魚類)の脳内記憶分子解析
  • サケ(魚類)の脳―下垂体―甲状腺・生殖腺ホルモン解析


産業界へのアピールポイント


サケは我国の重要な水産資源で、1 g の稚魚で放流すると、数年後には3 〜4 kg の親魚となって正確に母川回帰する夢のような魚です。サケの母川記
銘・回帰メカニズムを解明することにより、サケにとって好適な河川環境を作出し、母川記銘能を強化した稚魚を放流することにより、母川回帰能を向上
させた親魚を作出することをチャレンジできます。

研究室ホームページ


北方生物圏フィールド科学センター 
上田研究室
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~k15499/Ueda%20Laboratory%202013.html


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