ノロウイルス吸着性腸内細菌

【ライフサイエンス】(2016/03/09公開)
大学院工学研究院 環境創生工学部門
佐野 大輔 准教授

ノロウイルス感染症の制御を実現する切り札


ノロウイルスを特異的に捕捉する腸内細菌Enterobacter sp. SENG6 を単離した。ノロウイルス吸着性腸内細菌は、腸内でのノロウイルス感染効率に影響を与えるなど、ノロウイルスの生活環形成に大きな影響を及ぼしていると考えられる。

研究の内容


本研究では、胃腸炎を引き起こすノロウイルスを特異的に捕捉することが可能な腸内細菌が存在することを世界で初めて証明した。

この腸内細菌Enterobacter sp. SENG6 は、ヒトが保有する“血液型決定抗原”に似た多糖を細胞外に分泌しており、この血液型決定抗原様物質を介してノロウイルス粒子を捕捉する。

ノロウイルス吸着性腸内細菌は、腸内でのノロウイルス感染効率に影響を与える可能性がある他、捕捉したノロウイルスを紫外線等の環境ストレスや消毒処理における酸化ストレスから守ることが可能であると考えられ、ノロウイルスの生活環形成に大きな影響を及ぼしていることが予想される。

また、ノロウイルス吸着性腸内細菌を用いて下水中からのノロウイルス除去を効率的に行うなどの工学的な応用も期待されている。

応用例


  • 水中からノロウイルスを除去するための吸着材としての利用
  • 環境中におけるノロウイルスの存在を示す指標細菌としての活用


産業界へのアピールポイント


ノロウイルス吸着性腸内細菌と共存することによりノロウイルスが培養免疫細胞に感染することが、2014 年11 月発行のScience 誌上で報告されました。
実験室内でのノロウイルス培養が、ノロウイルス吸着性腸内細菌の利用によって実現する可能性があります。本研究によりノロウイルスの生態解明に大きく寄与することを目指しています。

研究室ホームページ


大学院工学研究院 環境創生工学部門
水代謝システム講座 水質変換工学研究室
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/water/index.html



※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2017-09-15
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