シーズ技術紹介

【その他】 (2016/03/09公開)

AAR(Active Action Research)によるボトムアップ型対策支援

大学院文学研究科 人間システム科学専攻
立澤 史郎(たつざわ しろう) 助教

「野生生物市民調査」で地域社会と自然の関りを紡ぐ


地域社会と野生動物との軋轢(農林漁業被害や外来種問題など)において、住民参加・住民主体の実態調査や対策を企画・実施し、そこで得られた対話やデータをもとに、地域社会と自然環境が順応的に共生するボトムアップ型施策の実現を支援しています。

研究の内容


ヤクシカ市民調査の実施と順応的管理策の提案

 
増加するヤクシカによる農林業被害に苦しむ屋久島において、島民参加型の全島実態調査を実施し、調査結果から分布の傾向や増加中心となっている地域を割り出すとともに、調査を通じてステークホルダー同士の対話を進めるAAR(Active Action Research)の手法を開発しました。

現在は、対話の中で見出された伝統的シカ猟と森林管理の歴史を発掘しながら、シカ猟をベースとした地域別集中管理案の検討を行っています。


市民調査で明らかになったヤクシカの全島的増加パターン(立澤2005)

外来種低密度化手法としての伝統的ため池管理技術の再評価と実践


全国的に多大な農業被害と生態系被害を引き起こしているヌートリアについて、分布解析などからため池地帯が増加中心として機能していること、伝統的ため池管理技術(水抜きなど)が増殖抑制効果を有することを突き止めました。

そこでため池管理の歴史・技術を有するお年寄りや地区会と連携し、水抜きと魚取りを楽しむ「じゃことりイベント」を企画して、地域伝統文化の見直しによる外来種対策(ヌートリアの低密度化)に成功しました。


「じゃことり」イベントのようす

応用例


比較的簡便な生態学的調査手法(スポットライトカウント法やフィールドサイン法など)と、環境教育的プロセスの導入は、多様な自然環境と地域社会との共生の問題に応用することができます。

自治体/産業界へのアピールポイント


地域住民や子どもたちが継続的に調査を行う中で、様々な情報・問題意識・アイデアが共有され、埋もれていた地域の歴史も発掘されます。また、異なる価値観や意見を有する方々が同じテーブルに着きデータを共有することで、具体的な「落としどころ」も見えてきます。

つまりAAR は、単なる簡便な生態調査ではなく、地域社会が自然とのつきあい方を主体的に決め、地域おこしにまでつながる社会的ツールです。

研究室ホームページ


大学院文学研究科 地域システム科学講座
http://www.let.hokudai.ac.jp/research/human-sciences/4-4regional/


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