シーズ技術紹介

【環境】 (2016/03/09公開)

焼却主灰中難溶性セシウムの存在形態

大学院工学研究院 環境創生工学部門
東條 安匡 准教授

放射能汚染廃棄物の熱処理によるセシウム捕捉機構と長期安定性評価


福島原発事故以降に発生している放射能に汚染された廃棄物の内、焼却底灰中のセシウムは、難溶性である。
本研究は、難溶性態として捕捉されているセシウムの固定化メカニズムを解明するとともに、その長期的な溶出可能性についての評価も行っている。


研究の内容


焼却底灰中に含有されるセシウムは、燃焼時に形成される結晶粒子表面のガラス状非晶質内に物理的に捕捉されている(図1、図2)。そのため、極めて低いpH にならなければ、溶出することはない。さらに、たとえ易溶性のセシウムが存在したとしても、急速に進行する炭酸化により焼却主灰表面で炭酸カルシウムが形成し、易溶出性セシウムの溶出は抑制される(図3)。

焼却灰層のpH が中性以下に低下することは考え難く、長期的にも溶出抑制効果は維持される。一方、セシウムが特に濃集して捕捉されている粒子の中央にはAl、Si、O から構成される鉱物が存在しており、この鉱物を燃焼時に共存させることで、セシウムを難溶性態として固相に封じ込められる可能性がある。

応用例


  • 除染廃棄物の処分方法
  • 放射性Cs の難水溶性態化
  • 放射能に汚染された焼却底灰の長期管理法


産業界へのアピールポイント


本研究は、廃棄物最終処分場の安全・安心を保証するために本研究室で実施している研究の一部である。放射性Cs のような厳重な管理が長期間必要な化学物質の埋立層内での挙動を明らかにし、その管理方策を提案することを主眼に研究を展開している。

処分場以外にも再生品の安全性評価等、環境中での有害物の挙動や管理について共同研究可能。

研究室ホームページ


大学院工学研究院 環境創生工学部門 
廃棄物処分工学研究室
http://wastegr2-er.eng.hokudai.ac.jp/home_old/staff/tojo/tojo.htm


※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2017-09-15
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