研究者紹介

【その他】 (2016/10/24公開)

三谷 朋弘 助教 北方生物圏フィールド科学センター 耕地圏ステーション 生物生産研究農場

「地域における持続可能な酪農」を目指して


動物を健康にする研究


高校まで京都府の郊外で育った三谷先生は、動物が好きで獣医を目指したそうです。ただ、残念ながら獣医学部への進学を諦め、農学部の畜産学科へ進みました。

ところが実際に入ってみると、動物を健康に育てること、乳牛であれば健康で長く、美味しい牛乳を生産するための研究なので、逆に病気になった動物を相手にする獣医よりも自分には合っていると感じたそうです。

博士課程を修了後、農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター、畜産草地研究所を経て、北海道大学創成科学共同研究機構の明治乳業寄附研究部門に特任助教として着任しました。その後農学研究院を経て、現在は環境科学院と生物生産研究農場を兼務しています。

様々な研究所に在席しながら、乳牛と健康、牧草に関連した研究に取り組んできました。


「持続可能な酪農」とは


三谷先生の1日は、朝の牛舎でのミーティングから始まります。牛の世話をしている職員や学生と密接にコミュにメーションを取り、家畜たちの健康状態も把握しながら「地域における持続可能な酪農」を目指した研究を進めています。

牛舎には35頭の乳牛が飼われており、搾乳できる状態の牛が20頭、妊娠中やまだ搾乳できない牛が7頭、牧草の消化の状態などを調査するための牛が8頭飼われています。

成牛から乳を搾る期間は酪農家さんによって違うそうですが、多くは2年ほどだそうです。
乳をたくさん出すために穀物などを多く食べさせるので、胃腸を悪くし、長くは飼えないそうなのです。 また、現在の傾向としては1頭あたり1日の生産量をいかに上げるか、と言うのが主流な考え方なのだそうです(乳牛1頭から30~50L/日)。

しかし、三谷先生はそれが果たして持続可能な社会なのかと疑問を投げかけます。

乳牛が生まれてから成牛になるまで2年かかるので、その間は赤字です。その赤字分を回収し、さらに利益を上げるために過剰な餌を与え、2年間で牛を潰してしまうのは、本当に効率の良いやり方なのでしょうか?

確かに年をとると乳量が落ち、質が低下することもあるそうです。ですが、飼い方によっては多少乳量が落ちても、5年ほど搾ることは可能といわれています。

三谷先生は放牧や餌などを工夫し、乳量や質を低下させず、より細く長く飼うための研究を行っています。

北海道 牛乳の味マップ


北海道は酪農が盛んですが、地域によって餌も、飼い方も、気候も違います。

その違いは牛乳の味にも大きく影響してきます。

三谷先生は10年ほど前から北海道の酪農家さんを訪問し、餌の種類や飼い方、また牛乳の味について調査を行っています。

北海道の様々な牛乳の味がマップになり、地域別に飲み比べてみたり自分好みの牛乳を探すことが出来たら、その地域や牛乳の付加価値を高めることになるのではないでしょうか。
本当に気に入ったら、実際に足を運んで、その土地で味わってみたいという人も現れると思います。

持続可能な酪農の提案、さらには牛乳の価値を創造することによって、地域がますます元気になるための研究だと感じました。

研究室ホームページ


北方生物圏フィールド科学センター 耕地圏ステーション 
生物生産研究農場
http://www.fsc.hokudai.ac.jp/farm/

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