シーズ技術紹介

【その他】 (2016/03/09公開)

リン酸カルシウムを用いた新しい地盤注入材

大学院工学研究院 環境循環システム部門
川﨑 了(かわさき さとる) 教授

北海道大学研究シーズ集webサイトオープンのお知らせ

かねてより準備を進めておりました北海道大学研究シーズ集webサイトをオープンいたしました。

本研究者の研究シーズはこちらです↓↓

https://seeds.mcip.hokudai.ac.jp/jp/view/59/
ご利用者様・サイト訪問者様により使いやすく、質の良い情報を発信していけるよう、更新をしてまいります。北海道大学研究シーズ集webサイトをよろしくお願いいたします。





自然界の生物の歯や骨の主な成分であるリン酸カルシウム化合物で地盤を固める画期的な低環境負荷型注入材


地盤注入材(グラウト)の新たなセメント物質としてリン酸カルシウム化合物(以下CPC)に着目し、CPCの析出とCPCによる砂の固化に関する最適条件を検討した結果、ケミカルグラウトとバイオグラウトという2種類の新しい利用可能性が明らかになった。

研究の内容


環境負荷が小さい新たなグラウトを開発するために、自然界の生物によって生成される鉱物(バイオミネラル)の中でも歯や骨の主な成分であるCPCに着目し、CPCが析出する最適条件の検討およびCPCで固化させた砂供試体の一軸圧縮試験を実施した。

その結果、CPC析出試験ではpHが弱酸性から中性付近に上昇することに伴い、析出体積の増加傾向が認められた。また、CPCで固化させた砂供試体の一軸圧縮強さは約90 kPaまで達し、砂質地盤が液状化しない一軸圧縮強さの目安である50~100 kPaを満足した。供試体片の電子顕微鏡観察からは、ウィスカー状のCPC結晶が確認された(図-1)。

以上より、自己硬化性を利用したケミカルグラウトと析出体積のpH依存性を利用したバイオグラウトという、2つの新しいグラウトとしての利用可能性が示された。

応用例


  • 砂質地盤の地震時液状化対策工
  • コンクリートおよび岩盤の自己修復
  • 石造文化財の修復保存
  • ため池底泥の固化および再利用
  • コンクリートおよび岩盤の亀裂充填
  • 汚染土壌の不溶化処理


自治体/産業界へのアピールポイント


CPCは、医学や歯学などの先行研究によって物理化学的にユニークな特徴を有している。工学の地盤注入材として用いる場合においても、少しの工夫とアイデア次第で多くのメリットがある。

例えば、CPCは自己硬化性を有し、時間の経過に伴って強度が大きくなる。また、CPC注入後の地盤は産業廃棄物とならず、資源として再利用できる。

研究室ホームページ


大学院工学研究院 環境循環システム部門 
地圏循環工学分野
http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/bio-res/www/links.html


※お問い合わせは 北海道大学 産学・地域協働推進機構ワンストップ窓口まで

Update 2018-04-17
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