研究者紹介

【情報通信】 (2018/01/30公開)

渡邉 拓貴 助教 大学院情報科学研究科 情報理工学専攻

「音」を使って現実環境を拡張する


きっかけは塚本先生


小さな頃からものを作ることが好きで、小学校の夏休みの宿題では、自由工作に全力を尽くしていました(その頃自由研究は一番苦手でした)。中学・高校時代は、部活とその頃始めたギターに夢中で、大学に入学してからもバンド活動をしていました。一方、大学生活は高校生の頃と変わらない講義形式の授業が多く、あまり魅力を感じられていませんでした。

そんな中、私の所属していた神戸大学工学部電気電子工学科には、頭にスカウターのようなもの(ヘッドマウントディスプレイ)を常時身につけた、塚本先生という見た目のインパクトのある先生がいました。大学生活を面白くするには、この人の研究室しかないという思いで塚本研究室への早期配属を希望し、結果的にこれが大きな転機になりました。面白い人のもとには面白い人が集まるようで、研究活動の中でスゴイ人や変な人と多く触れ合う機会がありました。こういった方々の多くが研究分野で活躍しており、この方向に進むのが面白いのではないかという考えを持ったのがきっかけです。

また、研究テーマを私の興味のあるものに設定できたことも大きな要因です。ギターを通じて音楽に興味を持っており、そこから音を題材とした研究テーマをやらせてもらえて、一貫してそのテーマを追求できました。興味のあることを追及できる職業はなかなかないのではないかと考え、研究者の道を考えるようになりました。

以上のように、気に入ったものは突き詰める自分の性格と、育った研究室環境が私の進路選択に大きな影響を与えたように思います。

大好きな「音」を活かす


私の研究領域は、コンピュータが小さくなって、身につけられるようになったウェアラブルコンピュータや、環境のあらゆる場所に設置し、環境の情報を利用するユビキタスコンピューティングです。コンピュータの進化によって生まれた新しいコンピュータの利用方法の中で、より便利なコンピュータの操作方法、情報提示の手法、人の行動認識の方法を追及しています。特に私の興味のある「音」から発展し、人には聞こえない超音波領域を利用することに魅力を感じて、これまでの研究を行ってきました。研究例の一つとしては、超音波を人体に伝播させ、その反応を解析すると、力の入れ具合のような人体内部状態を含めたジェスチャの認識等が可能になり、ウェアラブル環境でのコンピュータ操作や人の行動認識として利用可能であるといった研究を行っています。

ウェアラブルコンピュータの面白いところは、赤外線や超音波のような人の知覚範囲を超えた情報も、身体に装着したセンサやコンピュータを用いれば取得できるなど、人の性能や現実世界の情報を拡張できることです。今後もウェアラブル環境での音/超音波の利用可能性をベースにしながら、ニーズとシーズの両面から新たな利用方法を追及していきたいと考えています。

産学連携・社会貢献に対する思い


ウェアラブルコンピューティングは常時身体に装着するという特徴から、実生活に密着しており、社会的に役立つ場面は多くあると考えます。これまでも作成したシステムを実際のイベントで利用したり、実環境でデータを取ったりと、研究室の外に出て活動することも多く行ってきました。

実社会の問題をテーマにし、その解決方法をセンサやシステムで解決するなど、社会的なニーズに沿った問題設定もしやすいと考えます。
北海道でも、例えば雪国特有の問題をウェアラブル・ユビキタスコンピュータで解決するなど、産学連携・社会貢献の可能性はあるかと思いますが、私個人の情報網ではその問題を拾いきれていないのが実情です。そういった問題の提起やお話があれば、フットワーク軽く対応したいと考えております。

知能情報学研究室のご紹介


知能情報学研究室では、上述したウェアラブルコンピューティング以外にも、杉本雅則教授のもと、音波を用いた高精度な位置認識、スマートフォンのカメラを用いた高速な可視光通信など、実用レベルを目指した研究を行っています。研究室のWebページで研究内容や成果を紹介していますので、ぜひご覧ください。

北海道大学大学院情報科学研究科 情報理工学専攻 
知能情報学研究室
http://aiwww.main.ist.hokudai.ac.jp/

研究シーズ

超音波を用いたジェスチャ認識システム
Update 2018-10-29
北海道大学 北海道大学 研究者総覧 onちゃん北大事務局 北海道大学研究シーズ集Webサイト
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