第3回食科学プラットフォームセミナー開催報告

  • 2017年7月19日

食科学プラットフォームセミナーの前身は「食と健康」研究会(約3年間で12回開催)です。
今回、「食欲・血糖調節機能研究の最前線と機能性食品開発」と題して、食科学PFセミナーになってはじめての、「食と健康」のセミナーを開催しました。
その概要について簡単にご紹介致します。

・日時|2017年7月14日(水)15時~17時20分
・会場|北海道大学農学部総合研究棟多目的室(W109)

講演1「消化管に働きかけて血糖上昇を抑制する食品ペプチド」
    北海道大学大学院農学研究院 食品栄養学研究室 講師 比良 徹 先生

比良徹先生

・CaSR(カルシウム感知受容体)は胃から十二指腸にグルコースが出ていくのを遅らせる
 作用を持 ち、血糖値の上昇を抑制する。
・GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)はインスリンの分泌を促進することにより、血糖上昇を
 抑制 する。
・DPP-Ⅳ(ジペプチジルペプチダーゼ)はGLP-1を分解する酵素であり、これを阻害することに
 より血糖上昇を抑制する。
・すでにこの分野の医薬品も開発されているが、食品中のタンパク質を消化酵素で分解した
 食品ペプチドでも同様の効果があることを見いだした。
・今後、健康食品としての開発も大いに期待される。

 

講演2「食情報を脳に伝達して食欲・糖代謝を調節する求心性迷走神経:
                           食品による迷走神経活性化が過食・肥満治療に有効か?」
     自治医科大学医学部生理学講座 統合生理学部門講師 岩﨑 有作 先生

岩﨑有作先生

・GLP-1の研究から、GLP-1が求心性迷走神経を直接刺激していることを見いだした。
・希少糖として知られるアルロース(別名プシコース)はGLP-1分泌を持続的に促進する。
・アルロースを投与することにより、非活動時間帯(ネズミでは昼間)の摂食回数および
 量を減らせることが判明。
・アルロースは血糖調節のみならず、過食による肥満も防止できるかどうか、今後のヒトでの
 研究成果が期待される。

 

 

その日の夜、お二人の先生を囲んで、若手(自称)研究者の懇親会を開催しました。ビールとワインを飲みながら、夜遅くまで、「食と健康」研究の将来を語り合いました。そのときのお二人の目の輝きを忘れることができません。そう感じたのは私だけではなかったのでは・・・

こんな機会をもっともっと作りたい。(文|木曽・写真|城野)

会場の様子