【北大スタートアップレポート第四回】北大が起点となり道内スタートアップを創出するSCORE事業のキックオフが行われました
2021.08.10
激動のコロナ時代。ワクチン開発や感染予想からわかるように最先端技術の社会実装の重要性が高まる中で、北大を起点とした道内スタートアップを創出するための内閣府発SCORE事業のキックオフが5月7日 に行われました。
SCOREとは「Program of Start-up Incubation from COre REsearch」の略で「社会還元加速プログラム」を意味し、若い学生と先端技術が集まる大学において、コロナ後の社会変革への大きなドライバーとなるような事業を生み出すことや、大きな変化に対応していけるアントレプレナーシップを持った人材を輩出することを目的に政府主導で作られた事業です。
今回、北大が北海道地区におけるSCORE事業の主要機関として、内閣府や経産省や文部科学省と連携し、これからの北海道全域に済相互支援ネットワークを形成していくことになりました。
北大は、他大学からみても国際色豊かな研究シーズや人材を有しており、大学横断型のスタートアップ創出を目指します。さらにIRデータを活用した研究シーズの可視化、さらに若手研究者への活躍の場の提供、イノベーションの創出の支援、卒業生ネットワークを活用してスタートアップ人材を北海道に誘導するなどの取り組みを行い、北海道ならではのスタートアップ・エコシステムを創出し、コロナ時代の「新しい価値観」を取り入れ、実装する「北海道モデル」を確立します。その中で特に「Deep -tech」と「IT系スタートアップ」の2つを重視したハイ・ローミックスな北海道モデルを目指します。
これまで、延々と続けてきた有能な若年層の道外流出や、コロナによる道内経済の打撃など、状況は大きく揺らいでいます。そのような時だからこそ、大学等の知を使い、現場を転換するためのイノベーションを起こすことができる環境を生み出すチャンスだと思います。とはいうものの、これは一朝一夕で変えられる簡単な話ではなく、少なくとも10年、20年はかかる壮大な事業ではないでしょうか?まずは、直近の5年で仕組みと実績を地道に作ることが重要であり、そのためには多くの方の理解と応援が必要不可欠だと感じました。
作成:北海道大学文学部地域科学講座4年 小川 凜